1. |
尖ったナイフとテレキャスター
03:06
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流れてく、雲の上。
君の声なんかをさ、思い出していたんだ。
明日も明後日も、君だけを置いて
それでも、回るわ。
飛行機も影すら落とさない夏の隅で、君がゆらゆら揺らいでは、
まるで、私の中で魚が泳ぐよう。
歪んだアンプで穿ってよ。
音楽に嘘はいらないから。
良識を知らない私でも温度くらい触ってしまえば、わかるわ。
痛いくらい鮮明に、夢の中で君が笑った。
私は弱いから、夢の続きを忘れようとしている。
習った言葉の分だけ記憶を塗れなくなっていく。
教科書を配布する前に、感情を黒く染めといてよ
君のとこへ登ってくよ
ロケットに乗ってもとどかない。
尖ったナイフとテレキャスター
私は昨日に縋っている。
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2. |
seifuku
02:34
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僕の書いたこの詩に名前をつけてよ。
僕が此処に生きてたことを此処に刻もう。
落ちるまでの距離は実に長く、心地良いまま、
空が遠く、髪と花が舞う春。
僕の書いたこの詩に名前をつけてよ。
明日、あなたが生きている保証はないので、
どうか、吸った今日の息を今日のうちに吐いてよ。
さよならは、届かなきゃいけないね。
僕の書いたこの詩に名前がついたら、
それは、僕が土に還り花を咲かす時だね。
いつか、降った雨が制服を濡らしてついには、
街を抱いて目を瞑ったのは春。
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3. |
アイスクリイムは溶けるから。
02:54
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やっと止んだ夏の雨はまるで私のようだと、
無理に晴れた空にどうも蝉が寂しそうに泣いた。
自分のやりたいことも分かんなくなって、
気づけば、一瞬で私は冬になっていた。
もしあの日、私がわがままを言わなかったら?
もしあの時、君に出会っていなかったら?
隣に君がいなくなってやっと分かった。
枯れてから水をやったって、花は咲きはしない。
感傷的になった私を止めて。最初から分かっていたんだよ。
アイスクリイムのような冷たい記憶の中の君を辿れば、季節が変わるから。
私の築いた美学に私が殺されそうなので、
路地裏の電灯さえ私のことを睨んでる。
街は私の全部を叱るように賑わい、
私だけ一人夏の中、踠いてる。
快感を求め、それがいつのまにか終われば、
いつだって、私は白昼夢に浸るのだ。
何回夢を見れば君に会えるだろうか?
髪も爪も唾液だって全部知っているんだ。
内包的に奪って、
感情的に奪って、
感傷的になった私を止めて。最初から分かっていたんだよ。
アイスクリイムのような冷たい記憶の中の君を辿れば、季節が変わるから。
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4. |
水槽少女
04:13
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古びた水槽の魚を見つめては、
小さく咲う幼気な君の唇を知ってる。
君の髪の先
君の手の形
今となっては僕の心臓の淵をつねってる。
水槽少女に触りたい。
水槽少女を咲わせたい。
水槽少女を抱きしめたいのに何もないよ。
君を見てたこの目が痛い。
君と見つめてた海が痛い。
どこを探しても君はいないのだ
ねえ、ずるいよ。
あの日の信号が僕の脳裏をよぎる。
呼吸を重ねて君をなぞったが、気持ちよくもないな。
君がなにを、
なにをしたって言うんだ。
君がなにを。
水槽少女はもういない。
水槽少女が僕を汚す。
水槽少女を抱きしめたいのに何もないよ。
黄ばんだ世界の上、僕の手だけ拒んだ君が僕を忘れ、
僕だけ今でも君を探してるよ。
ねえ、待って。
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5. |
プールサイドに花束を。
04:34
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ぷかぷか。水の中は、
言葉だって聞こえないよ。
まだ幼いあなたの
体温とか
手首の痛みすらも忘れられるのだ。
プールサイド、花を添えて。
煩いよ、あなたのいない世界で、
あの日に時を戻しても、
僕らの罪は、消えない。
ぷかぷか。夜の中は、
涙だって零れないよ。
魚にはなれないから、
僕らは僕らを満たすために溺れているのだ。
プールサイド、花を添えて。
煩いよ、あなたのいない世界で、
あの日に時を戻しても、
僕らの罪は、消えない。
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文藝天国 Japan
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